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米国各地で起こっている反ウォールストリートの暴動に思うこと -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先週末は、世界各地で経済格差や大手金融機関に対する抗議デモが行われた。
シカゴでは175名もの逮捕者が出たようだ。

もちろん、内情を知っていながら目先の利益(そして自らの報酬)のために
高リスクの商品を買ったり、転売することを指示した金融機関の経営者は
法の下で公正に裁かれなければならない。

しかしアメリカの経済の仕組みをある程度理解した上で考えると、
こうした大規模なデモですら非常に虚しく感じられてしまう。

アメリカは対外純債務国であり、年間のGDPの約17%に相当する
対外純債務を抱えている(2009年現在)。これより多額の対外純債務を
抱えるのは、先進国では今話題のPIGGSとオーストラリア、
ニュージーランドしかない(国別対外純債務のGDP比率)。

マスコミはXXの一つ覚えみたいに政府債務のGDPを取り上げるが、
対外純債務のGDPの方が、よほど債務履行能力との相関が高い。

こうした多額の純債務をファイナンスするための米国流の方法は
自由で活発な資本市場を整備して対外投資の絶対額をともかく大きくするとともに、
相手国を上回る投資効率を達成することによって所得収支を黒字化することだ。

そのためには、
米国による米国のための「フリーでグローバルな」資本市場が必要だし、
どの国の投資家よりも優れた超一流の人材をウォールストリートに
送り込んで資本市場をおさえる必要がある。
個人投資家に運用を任せたり政府ファンドを作って公務員が投資する程度では、
先進国の伝統的な上場株式など平易な運用を除いて
世界中の投資家に太刀打ちできるわけもない。
投資なんて誰がやっても同じと考える人は、
飛ぶ鳥を落とす勢いの経済を持つ中国(上海)の株価指数が
10年間もほとんど上がっていない、という事実に目を向けるべきだろう。

ウォール街の集金システムが自己増殖しすぎて
手に負えなくなっているのは事実だが、
そうしたシステムなしに対外債務で失った富を
米国内に還元させる有効な方法は未だに考えられていない。

勢いでウォール街を潰した途端、
国ごと沈没するといったことにもなりかねないのだ。
ウォール街の存在は米国の対外債務と切っても切り離せない関係にある。
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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No title

NIIPは国民の資産を元にした数値は、理論的には徴税して債務履行可能ですが、
投資所得は租税回避しやすく、また日本の政治家は特に税金あげたがらないので、
NIIPだけでなく政府の純債務GDP比も説明変数に入れるべきかと
ちなみにワーストから、

Japan127.8
Greece 124.8
Italy 100.6
United States 74.8
Belgium 80.8
Portugal 75.5
Ireland 70.0
United Kingdom 62.4

でexcelソースは http://www.oecd.org/dataoecd/5/51/2483816.xls

No title

税金を上げたがらないことと上げないことは別でしょう。上げたがる政治家なんて日本に限らずいないと思いますよ、選挙的に考えて。

あと、外国人から見て国債の債務履行能力として問題になるのは、極端な話お金刷っても解決できない外貨建てが返せるかどうかなんで、ほとんどが円建て債+対外資産は黒字ってことで問題ないかと。

そうじゃなければ格下げで日本債が値上がりすることが説明つかんでしょう。

No title

>JJさん:

政府純債務が全く関係ないとは言わないですけどね。

>匿名さん:

その通りですね。
普通は自国通貨建てならインフレにしてでも返そうとするでしょう。
そもそも日本の場合は、いざとなったら個人の外貨購入や海外送金を
禁止することでほぼ解決でしょうけど。

No title

長くなるので最初に要点だけ言うと、
お互いの主張は似ていますが、私は純債務も考慮する必要があり、投資家は資産を逃がしやすく、日本の政治家はより無能であるという程度の違いだけだと思います


>上げたがる政治家なんて日本に限らずいないと思いますよ、選挙的に考えて。
だから"特に"をつけました。あげられないという能力の問題と書いても誤解されかねないので。

>そうじゃなければ格下げで日本債が値上がりすることが説明つかんでしょう。

2003年から2009年まで短期金利でcorrelationを調べてみましたが、0.64でプラスつまり、
投資所得が上がるほど、金利が上がるという主張とは逆の結果がでています。
上にもあげたように単一の要因で全て説明しようするのは無理があります。
金利は他国の情勢、exchange rateや景気によっても左右されます。
といってもここらへんは門外漢なので間違ってる可能性は否定できませんが。


>普通は自国通貨建てならインフレにしてでも返そうとするでしょう。
>そもそも日本の場合は、いざとなったら個人の外貨購入や海外送金を
>禁止することでほぼ解決でしょうけど

データに示したように日本は普通では無いというのが私の主張ですw
TPP結ぶとそのカードは使えなくなりそうですよ。

No title

>投資所得が上がるほど、金利が上がるという主張とは逆の結果がでています。

すみませんが、このあたりはちょっと何を言っているのか分からないです。
投資所得(=所得収支?)と短期金利(=政策金利?)の相関を
調べたということですか?そして、どこの国の所得収支とどこの国の短期金利
でしょうか?そして、この2変数の相関を調べる意義もよくわかりませんでした。


送金や外貨取引の制限は、TPP の投資ルールに
ひっかかる可能性があるというわけですね。
これは、TPP 交渉の結果を見ないとなんとも言えませんが、
TPPの主眼は自国市場の市場開放に置かれているので
自国資金の外貨取引に対する制限は可能であるような気もします。
おそらく取引制限は緊急避難措置として行われるでしょうし、
それは現行の外為法で既に可能になっているわけで
TPP締結後に条約違反との異議が唱えられなければ大丈夫なような感じもします。

No title

>すみませんが、このあたりはちょっと何を言っているのか分からないです。
>投資所得(=所得収支?)と短期金利(=政策金利?)の相関を
>調べたということですか?そして、どこの国の所得収支とどこの国の短期金利
>でしょうか?そして、この2変数の相関を調べる意義もよくわかりませんでした。

失礼しました。日本国債の短期金利と所得収支の相関関係ですね。

匿名さんの主張1. 外国人から見て国債の債務履行能力=円建て債+対外資産
匿名さんの主張2. 格下げで日本債が値上がりした
これを私は対外資産があるほど、国債が値上がりする(金利が下がる)と匿名さんが主張しているものと判断しました。
そこでこの仮設を検証するため、相関関係を見て、相関が正になり、仮説を棄却しました。
(相関は単純化のために使いましたが、本来は単回帰分析ののち、仮説検定すべきでした)

金利は7/1およびその近辺のを使い、ラグはとってません。exchange rateも面倒だったので考慮してません。R^2=0.40近くでt値が1.8だった気がします

No title

jjさん:

なるほど。金利と対外資産の相関では、おっしゃる通り為替の問題に比べ、景気変動の影響や諸外国の金利水準が大きく影響してしまうと思います。また、短期金利は政策変数なので、長期金利、もっと言えばCDSスプレッドを使った方が良さそうです。

クロス・カントリーでCDSスプレッドと対外純資産のGDPを取れば、相関が負になる(匿名さんんの主張は正しい)ような気はしますが、そんな時間もないので、まあこのくらいにしましょう。

アメリカ最大の産業

管理人さん、こんにちは。<金融・不動産のGDP構成比は20%超とアメリカ最大の産業に躍進> 下記の記事が、その事情を要約しています: http://www.asyura.com/07/hasan52/msg/460.html QUOTE 1) 製造業の地盤沈下は著しく、データは割愛するが2005年の自動車産業のGDPへの寄与率はわずか0.8%。もはやトヨタがGMを凌駕(りょうが)しても国民は騒がないだろう(政治的ポーズは別として)。 (]2) 一方、特に80年代以降の金融・不動産業は驚異的に進展。データは割愛するが、中でも証券業などの投資業務は80年からの15年間で14.6倍、ファンドビジネスは16.3倍と急拡大(この間のGDPの伸びは4.7倍)。この結果、金融・不動産業のGDP構成比は20%超とアメリカ最大の産業に躍進。アメリカでは金融と不動産は一心同体である。(3]) 弁護士やコンサルタント、さらには企業経営などの専門的サービス業も同期間で7.8倍に急拡大しているが、この背後にも金融・不動産業の隆盛があると推測。UNQUOTE

No title

snowbeeさん:

金融仲介機能は、柔軟な産業構造のために欠かせないもので
規制をかけて金融業を抑えれば良いというものではないですね。
一方で、政府部門による金融機関のリスク評価能力は
もっと強化する必要があるでしょう。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
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   小説のように読める本。
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2.Matematical Statistics and Data Analysis
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