アメリカの健康診断と健康保険
今日は、大学で健康診断があった。
健康診断と言っても、身長、体重、ウエスト、血圧、それに
血液検査しかないので気休め程度のものだ。
大学のウェブサイトで都合の良い曜日・時間の予約を取って
生活習慣に関するオンラインのアンケートに答えて
当日、実施している会議室に行く。
誓約書を書かされたりするところが米国らしいが、
診断自体は別に日本の団体健康診断とあまり変わらない。
違う点の一つは、参加が自由であるということだ。
日本の職場にいた時は、任意ながらも半ば強制参加のような行事で
毎年拒否している人が話題になったりするレベルだったが、
うちの大学では登録も自主的にやるだけだ。
もう一つ違う点は、参加すると保険会社経由で
インセンティブ(報奨金)が支給されたりする事だ。
2年前は100ドル支給されたためか、予想を大幅に超える参加率だったそうだ。
昨年は、何も無かったようなのでゲンキンな私は受診しなかった。
今年は50ドル。まあやった方が良い事には変わりないし受ける事にした。
保険会社としては、
簡単な健康診断でも、高血圧や心臓病、
肥満などの予防に繋げることができるし、
被保険者の健康に対する意識も高まるので、
十分ペイするということなのだろう。
アメリカの健康保険はこの他にも
ジムにたくさん通った人にインセンティブを出したりと
いろいろな工夫をしている。
それでも医療費が異常に高騰しているのは
雇用主や政府が保険料の大半を負担するという仕組みが、
契約者のモラルハザードと医療業界の野放図な拡大を招いている
ということだろう。
もちろん米国の医療制度の高コスト体質にはいくつかの構造的な問題もあるし、
医療訴訟のように国民感情に委せて社会コストを上げている点も問題である。
しかし究極的には、
医療システムを社会主義的に運営するか、
完全に資本主義に任せて「貧乏人は自力で生きろ」という世の中にするか、
どちらかしかないのかも知れない。
来年の私の家族用健康保険料は年間で1万4千ドルを超える。
これでも HMO (health maintenance organization)
という仕組みを使った比較的割安なほうで、
自由に好きな病院に行けるプランでは2万8千ドルを超えるものもある。
全額、給与から自分の判断で払うならもっと安い保険を選ぶだろうが、
雇用主負担が8割の現状では、「まあ高いけど払っとくか」となってしまう。
(一応、高い保険は自己負担を高くするなどの工夫は施されている。)
8割も政府や雇用主が出してくれるなら何でも買いたくなるだろう。
かつて日本では雇用保険が、習い事をすると授業料が8割還付される制度を実施して、
一時的に英会話教室などの業界が潤った。
そのおかげで、日本人は十中八九、英語がネイティブ並みになった。
そんなことを何十年も続けているのが米国の医療制度なのだから、
このまま行けば100年後に米国の平均寿命は120歳を超えるに違いない。
日本の健康保険制度はそれなりに上手くいっているように見えるが
それはあくまでも公的な負担と完全な価格統制という社会主義的な仕組み
をセットにした結果であって、
民間の保険制度が機能しているというわけではない。
そのあたりの事は、アメリカ人も日本人も認識しておいて損はないだろう。
健康診断と言っても、身長、体重、ウエスト、血圧、それに
血液検査しかないので気休め程度のものだ。
大学のウェブサイトで都合の良い曜日・時間の予約を取って
生活習慣に関するオンラインのアンケートに答えて
当日、実施している会議室に行く。
誓約書を書かされたりするところが米国らしいが、
診断自体は別に日本の団体健康診断とあまり変わらない。
違う点の一つは、参加が自由であるということだ。
日本の職場にいた時は、任意ながらも半ば強制参加のような行事で
毎年拒否している人が話題になったりするレベルだったが、
うちの大学では登録も自主的にやるだけだ。
もう一つ違う点は、参加すると保険会社経由で
インセンティブ(報奨金)が支給されたりする事だ。
2年前は100ドル支給されたためか、予想を大幅に超える参加率だったそうだ。
昨年は、何も無かったようなのでゲンキンな私は受診しなかった。
今年は50ドル。まあやった方が良い事には変わりないし受ける事にした。
保険会社としては、
簡単な健康診断でも、高血圧や心臓病、
肥満などの予防に繋げることができるし、
被保険者の健康に対する意識も高まるので、
十分ペイするということなのだろう。
アメリカの健康保険はこの他にも
ジムにたくさん通った人にインセンティブを出したりと
いろいろな工夫をしている。
それでも医療費が異常に高騰しているのは
雇用主や政府が保険料の大半を負担するという仕組みが、
契約者のモラルハザードと医療業界の野放図な拡大を招いている
ということだろう。
もちろん米国の医療制度の高コスト体質にはいくつかの構造的な問題もあるし、
医療訴訟のように国民感情に委せて社会コストを上げている点も問題である。
しかし究極的には、
医療システムを社会主義的に運営するか、
完全に資本主義に任せて「貧乏人は自力で生きろ」という世の中にするか、
どちらかしかないのかも知れない。
来年の私の家族用健康保険料は年間で1万4千ドルを超える。
これでも HMO (health maintenance organization)
という仕組みを使った比較的割安なほうで、
自由に好きな病院に行けるプランでは2万8千ドルを超えるものもある。
全額、給与から自分の判断で払うならもっと安い保険を選ぶだろうが、
雇用主負担が8割の現状では、「まあ高いけど払っとくか」となってしまう。
(一応、高い保険は自己負担を高くするなどの工夫は施されている。)
8割も政府や雇用主が出してくれるなら何でも買いたくなるだろう。
かつて日本では雇用保険が、習い事をすると授業料が8割還付される制度を実施して、
一時的に英会話教室などの業界が潤った。
そのおかげで、日本人は十中八九、英語がネイティブ並みになった。
そんなことを何十年も続けているのが米国の医療制度なのだから、
このまま行けば100年後に米国の平均寿命は120歳を超えるに違いない。
日本の健康保険制度はそれなりに上手くいっているように見えるが
それはあくまでも公的な負担と完全な価格統制という社会主義的な仕組み
をセットにした結果であって、
民間の保険制度が機能しているというわけではない。
そのあたりの事は、アメリカ人も日本人も認識しておいて損はないだろう。
「医療崩壊」(小松秀樹)臨床医による本。
日本の現状を知るためにお勧め。
日本の現状を知るためにお勧め。
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テーマ : 政治・経済・時事問題
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