英語は聞き取るより話す方がずっと簡単 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今年から数学科の中で、ティーチング・アシスタントと非常勤講師の評価と
指導をする係に加えられた。メンバーは、まとめ役の女性の教授、
常勤講師が男女3人ずつ、それに、常勤の教授、准教授、助教(自分)が一人ずつだ。
今日は2回目の会議だった。

この会議は女性の常勤講師3人が、
評価される人がその場にいないのをいい事に
厳しい事を言いまくってストレスを解消し、
それを男性の常勤講師3人がなだめ、
教授、准教授、助教の3人はドン引きしているという構図だ。
ちなみに、まとめ役の教授は誰についているのか良くわからないところが
まとめ役らしいところだ。

なんだかんだ言って中心的な議題は外国人TAの英語の問題なのだが、
そこで再認識したことは、
「英語は聞き取るより話す方がずっと簡単。」
と言う事だ。誰かがそのことに触れたところ、全員が同意した。
その理由は簡単で、
「話すのは自分で全てコントロールできるが、
聞く方は相手に合わせなければならないから。」
ということである。

純粋な日本人の場合、聞き取る方が話すより得意という人も多いので
これは少し興味深いことではないだろうか。

理由はいくつか考えられる。

1. 日本の英語教育のせい

日本の英語教育では、クラスの規模が大きすぎたり、
教師の語学力が十分でないために、
アウトプットの練習をする機会が限られている。
また本来的にインプット重視の授業が行われている。

2. 数学で使う英語が簡単だから

数学で使う単語は、動詞も名詞も限られている。
また、体系が整備されていることもあり、定型表現が多い。
結果として、話すのが簡単である。

しかし、この論理に従えば聞き取る方も簡単になるはずである。
もっとも、学部初級向けの授業などでは
数学をやっているのに数学的でない質問の仕方をする
学生がいるのも原因の一つだろう。

3. 数学科の院生は変だから

実は前から気になっていたのだが、日本人などの外国人に関しては、
数学系の学生はアウトプットが得意でインプットが苦手であり、
人文・社会科学系の学生はインプットが得意でアウトプットが苦手な傾向がある。

人文系・社会科学系にはそもそも英語力が高い人が多く、
そういう人たちは両方が得意なのだが、彼らを除いて考えると、
語学力のインプット/アウトプット能力のバランスは、
扱っている分野による文章の難易度の違いだけでは
説明できないほど大きいように思う。

もしかすると、
数学系の学生は限られた知識を組み合わせて何かを構成する能力が高く、
人文・社会系の学生は膨大な知識を仕入れて理解する能力が高い、
という本来的な適性の違いがあるのかも知れない。


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テーマ : 英語・英会話学習
ジャンル : 学校・教育

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No title

自然科学と人文・社会科学では、方法論の上で大きな違いがある。中でも両者の差異を実感させるのが、先行学説を組み合わせた論述に対する評価である。人文・社会科学の分野では、こうした議論を高く評価せず、むしろ折衷主義として嫌悪する傾向が見られる。先行学説の長所を寄せ集めるよりも、先行学説の誤りを批判し、自分なりの新説を提出する方が受けが良い。自然科学の場合、事情は正反対である。先行学説の批判は歓迎されないばかりか、学問にとって無益だと考える研究者も多い。それよりも、互いに相容れないように見える複数の学説の中から親和性の高い部分を抽出し、それらを組み合わせて統合する方が遥かに建設的な業績として評価される。例えば、ネオダーウィニズムの淘汰説と木村流の中立進化説を組み合わせ、タンパク質における変異の何パーセント程度が中立で、淘汰圧がどの程度の作用を及ぼすかを定量的に論じたものは、総合学説としてきちんと評価される。自然科学と人文・社会科学のこうした違いは、個人研究者の役割の差に起因する。人文・社会科学では個人の役割が大きく、たった一人の研究者が学説の骨格を作り上げ、学派を形成することも稀ではない。一方、自然科学では、個人の力はたかが知れている。多くの研究者がそれぞれのアイデアを出し合い、その中から出来の良いものを集めて、ようやく自然の謎が解き明かされていく。こうした学問のあり方を身を以て体験しているだけに、自然科学者は、間違いに寛容で総合を高く評価するのだろう。

No title

AAAさん:

自然科学においても、二つの理論を合わせただけというのでは評価は高くありません。
結局の所、合わせることにどれだけの価値があるかによるのだろうと思います。
ご指摘のように自然科学では一つの理論がより広範かつ複雑なため、
部分的な貢献でも認められやすいという点はあるように思います。
あと、最後の一文は、主旨がよく分かりませんでした。

No title

話す方が得意といっても、外国人TAの英語で問題になるのは大概、TAのアクセントや訛りがキツすぎ、あるいは言語力が足りないため説明が下手で学生が分からなくなるということじゃないですかね。(もちろんそういったケチをつける学生は、自分が理解できない理由を外国人TAの英語のせいにして責任回避する傾向があるとしても。)

ロシア人の数学科教授で、学生が質問した事を変な風に理解して、まったく的を得ない事柄に関して説明を始めるため、その都度教室に失笑とため息が流れていたことがあるんですけど(笑)、聞き取りが出来なくて問題が起こるということはあまり無かった気がするんですがどうでしょう。

No title

>聞き取りが出来なくて問題が起こるということは
>あまり無かった気がするんですがどうでしょう。

いえ、むしろそういう苦情が大半ですね。
逆に聞き取れないほどアクセントが強かったり文法が無茶苦茶
ということはあまりないです。

No title

数学系→演繹が得意。人文社会系→帰納が得意。ということですかね。
端的すぎでしょうか。どちらの方向からも思考できるようになりたいものです。

No title

nememさん:

そういう風にも表現できますね。
あくまでも私見なのですが、何かそういった理由があるような気がするのです。

No title

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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