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大学内のグラント -- このエントリーを含むはてなブックマーク

時々、企業で働いている日本人などに驚かれるのだが、
数学科のように教育メインで経営が成り立っている貧乏な学科は、
夏休みの3ヶ月間は給料が出ない。
リスは冬に備えて秋までに木の実を溜め込んで冬眠するが、
大学教員は夏に備えて春までにお金を貯めておかなければいけないと言う事だ。
しかも夏はずっと寝ているというわけでもない。

NSF (National Science Foundation)などが提供する研究費を獲得した研究者は、
一般的に研究費から2ヶ月分の給与を支出することができるが、
私はまだ獲得したことがない。

うちの大学は、そうした若手のために、
給与あるいは研究費にあてるための1万ドルの資金を
年間15~20件程度与えているのだが
今回、運良くその資金をもらえることになった。

例年応募倍率は概ね4~5倍程度だから、
大学が学科に若手一人当たり2000-2500ドルずつ支給する
ということも可能なのだが、
「競争にして一生懸命やってそうな人にあげた方が研究が捗るんでは」
との思いつきでそのようになっているのだろう。

しかし、応募する方としてはこれが結構面倒くさい。
NSFの応募締め切りの1ヶ月後にこのグラントの締め切りはあるので
基本的にはほぼ同一内容の提案書を出すことができるのだが
ページ数が約半分になる上、審査をする人が分野外の人になるため、
説明文も変えなければならない。
結局、同じアイデアを元に、
どの学科の人が読むか考えながら受けの良さそうな例を加えたりして、
レターサイズ(A4相当)でびっしり8ページの作文をもう一度し直すはめになる。
確かに審査する側からみれば、
専門家が読む前提で書かれたNSF向けの15ページの提案書を丸投げされても困るわけで
そういう要件になっていることもよく理解できるのだが、
応募する方が面倒なことに変わりはない。
まあ、僕は資金をもらう側だから別にそんな文句を言う必要もないのだが、
両側で手間をかけた挙げ句に資金が学内を移動するだけで大学側はいいのだろうか、
と少し考えさせられる。

そんなわけで、毎年いまひとつ腑に落ちないまま作文をしていたが
今年は学科が結構頑張ってくれたようで
平凡な作文にも努力賞がもらえることになって
とりあえずめでたしめでたしである。
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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

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Writing grant

NSFなどのグラントを書くにあたって、参考にする本やWebsiteがありますか?グラントはそれなりに書く技術が必要だと思うのですが、押さえるべきポイントとは何なんでしょう?

No title

Satoshi Nawata さん:

とりあえず通った経験のある人にapplicationを見せてもらうのが最善ではないでしょうか。
しかしなかなか見せてくれなかったりします。パソコンが壊れてファイルがない、とかいろいろと言われます(笑)。abstractくらいまでだったら、NSFのページで見られます。テーマの傾向とか掴むのもそれなりに大事かもしれませんね。最初から通ることはあまりないと思われるので、取りあえず一回出してみて、フィードバックをもらうことも大事だと思います。それから審査経験のある人にアドバイスを求めることですね。あとは、grantの審査をしているNSFのオフィサーとコネを作っておけばベストと言われますがみんなやろうとするのでそういう人が学会に来ると往々にして行列ができます。

おめでとうございます!

学内のグラント、おめでとうございます!

外部グラント以外であれば、大学の教員の方は、夏はサマーコースとかを教えて稼いでいるのかと思っていました。学内グラントというのがあるのですね。それは助かりますね。

No title

>夏はサマーコースとかを教えて稼いでいるのか

確かにこの手はありますが、基本的に専任教員の給料は高いので大学側は
あまり雇いたがりません。また、普段まとまった時間があまり取れないので、
夏に教えると、論文書く時間がない、ということもあります。

夏に給料が出ない、というよりは年俸が安いという解釈をすべきなのかも知れません。

No title

単身だとそのシステムは魅力的だとは思うんですけどね。
よその大学に行っても良いし、それこそ旅行をしてしまっても良いし。
お金があればまあどんなシステムでも良いのはこの際おいときますけど……

No title

axeさん:

確かに独身であるといろいろ行けて便利かも知れません。こちらだと、カレッジタウンは夏の間だけのサブレット(アパートの又貸し)もたくさんありますしね。ただ、夏の3ヶ月半はどの大学もほぼ休止状態で、活動はしにくいかも知れません。私としては、むしろ夏に授業を持って、冬学期を休みにしてほしいです。夏も満遍なく授業をやった方が、学生は集まると思うんですけどねぇ。
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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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