スポンサーサイト -- このエントリーを含むはてなブックマーク

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


高校時代はアイデンティティを育てるための期間 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

WS大では昨日で冬学期の授業が終わり、期末試験を残すのみとなった。
今日は授業も試験もなく、学生にとって期末試験に向けて準備するための日だが、
大学は高校生をキャンパスに招いて宣伝のための講演会を開き、
教員はあちこちの部屋に分かれて分野別に講演をした。

高校生がどのくらいこのブログを読んでくれているか分からないが
講演の前に高校生に伝えたことを書こう。


僕は高校生の頃、数学が大好きだった。
ともかく難しい問題を解いたり、難しい本を苦労しながら読み進めるのが好きだった。
得意だったどうかは別として、それが自分のアイデンティティであった。

予定通り大学の数学科に入った僕は、純粋数学を6年間勉強した。
代数的整数論という、いわば純粋数学の花形的な分野である。
しかし、いつ頃からか、おそらく努力と才能の両方が不足していたせいで
理解できないことが増え僕は数学に対する興味を失っていった。

僕は次第に、金融や経済の分野に興味を持ち、金融機関に就職した。
職場で実際にやったのは、主に実体経済や計量モデル、経済統計などに関する調査だった。
いずれも希望して就いた仕事だったし、学ぶところが多かったが、
経済学にたくさんあるアプリオリな仮定にはあまり馴染めなかったし、
統計の仕事は僕の興味からはやや実務的過ぎた。

次第に統計分野に理論的な興味が湧いてきた僕は、
統計学科の博士課程で学び、統計屋として今の数学科の仕事についた。
せっかく大学で働くのだから理論的なことをやろうと考えていたが、
数学者の同僚に比べあまりに数学のできない自分に絶望する事が多く、
やはりもうすこし応用分野に絞らなければ、と感じる今日この頃である。

こうして順を追ってみると、これだけ思考錯誤しながらも
いかに自分の適性を判断するのが難しいかということを改めて認識させられる。

当然ながら、
数学科に行けば周りは全て数学の才能に恵まれた人ばかりであり、
経済関係の仕事に就けば周りは経済学に造詣の深い人ばかりである。
これは私が経験した分野に限らず、
ミュージシャンは音楽が得意な人ばかりだし、
翻訳や通訳の分野は語学が得意な人ばかりだろう。

そんな中で、迷い無く自分のアイデンティティを長期間にわたって維持するのは
私を含めた大多数の平凡な人々にとっては容易でない。


思えば高校時代は様々な友人に囲まれ、
自分がどんな人間であるのかを客観的に知ることができる
最後にして絶好の機会であったように思う。
進路に迷った時、いつも一瞬高校時代を振り返る事で
自分の原点に帰って考え直すことができる。

高校時代に、様々な個性の友人と出会うことは
その後の人生でアイデンティティを確立するための大きな財産である。
スポンサーサイト


テーマ : 高校生活
ジャンル : 学校・教育

コメントの投稿

非公開コメント

No title

なんか先日から人生に迷いのあるような感じですが?

No title

ysjournalさん:

ここ15年くらい迷っているので、最近変わったことはないように思いますがw
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

検索フォーム
Twitter

Twitter < > Reload

お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

全記事表示

全ての記事を表示する

最近のコメント
訪問者数 (UA)
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
海外情報
30位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
北アメリカ
5位
アクセスランキングを見る>>
人気記事Top10


(はてなブックマークより)

カテゴリー
最近のトラックバック
お勧めブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。