家族旅行が高い日本、安いアメリカ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

夏に久々に日本に帰って思ったことの一つは、
「とにかく旅費が高い!なんだこりゃ!」ということだった。
妻の親戚をたずねて家族3人+義母で名古屋まで2泊3日で行ったのだが、
新幹線代だけで4人だと往復約8万円、
宿泊費は豪華な朝食付きだったが4人×2泊で約9万円と
交通費と宿泊費だけで17万円もかかると知って、
「うわっ、17万?!」
「飛行機でバケーションに行く訳じゃあるまいし!」
と奴と二人で改めて驚いてしまった。
今回は目的がはっきりしていたから良かったが、
観光だけが目的だったらコストセンシティブ(=貧乏)な
我が家は間違いなく計画を断念していただろう。


ところで、我が家では毎年冬休みに買い出しを兼ねて
シカゴ旅行に行くのが恒例になっている。
中西部の田舎の小さな大学町で5年間を過ごした私達家族にとって
休みに華やかな繁華街と日本の店があるシカゴに行くのは、
冬の少ない楽しみの一つだった。その習慣は今も続いている。
デトロイトからシカゴまでは約300マイル(480キロ)、
日程は2泊3日なので、物理的には名古屋旅行とあまり変わらないか
むしろ遠いくらいである。

さてここで問題。
この家族旅行の予算(交通費+宿泊費、税込)はいくらでしょう?

あ) 2100 ドル (17万円弱)
い) 1400 ドル
う) 700 ドル

正解は・・・









え) 250ドル。

ちなみに内訳は、ガソリン代が往復で100ドル、
ホテル代が一泊75ドル(税サ込)。
ただし朝食はついていない。

なんでこんなに値段が違うんだ?と考えてみると
要するに日本は何でも一人当たりで費用がかかってくるのが理由だ。
シカゴのホテルは今回は郊外に取ったので特に安いが、
2人用ベッド×2(キング+クイーン)の部屋で
何人泊まっても料金は変わらない。
1人でも子供連れの4人家族でも一泊75ドルだ。
ちなみに、日本で泊まったホテルより古いが
部屋の設備自体はあまり変わらない。

移動も車なので4人までなら何人でも費用はほとんど変わらない。
日本の新幹線と米国の車旅行を比べるのはフェアでないかも知れないが、
通勤用に車が必須のアメリカと日本の都市部では事情も異なる。
日本の都市部では車を維持するのには
駐車場代、自動車税、車検代と多額の費用がかかり、車両の値落ちも早い。
東京から京都までの高速料金はETC割引を使っても往復で1万円、
ガソリン価格も米国より約70%高い。
マイカーで旅行するための費用も実はかなり高い。


一言でまとめると、日本の旅行事情は人数の多い家族に厳しいということだ。
しかしこの料金体系が妥当なのかどうかはかなり疑問だ。
例えば日本で、
20代独身、30代DINKS、40代4人家族、60代老夫婦
という4パターンを考えてみよう。
余暇のために消費できる金額が家族一人当たりで多いのはどのパターンだろうか。
おそらく
60代老夫婦 = 30代DINKS > 20代独身 > 40代4人家族
の順ではないか。

家族の人数が多く住宅ローンと教育費を抱えたオトーサンたちに
そんなに余裕があるようには見えないし、
過去15年ほどの賃金低下で一番影響を受けたのは
40〜50代あたりのはずである。

旅館やホテルが、40代4人家族から
30代DINKSや60代老夫婦の2倍の料金を取ろうとするのが
賢い商売だとはあまり思えない。

新幹線にしてもごく一部の繁忙期を除けば結構空席が目立つ。
国が有休取得の強化などを促して需要をもう少し平準化させることも大事だが、
利益を損なわずに空席を埋めるための手っ取り早い方法は、
こうした顧客の階層ごとに価格差別を行うことではないのか。


大家族で気軽に旅行もできない社会では、ますます少子化も進む。
日米の対照的な例を見て、
もう少し家族に優しい日本社会になると良いなと願う、
コストセンシティブな30代家族持ちなのであった。
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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

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No title

いちおう定員を下回る宿泊の場合は割増がありますが、もっと傾斜をつけるべきということでしょうか?

No title

izuさん:

そうですね。何人泊まっていても一部屋あたりの手間なんて
ほとんど変わらないと思いますので。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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