グローバル人材を増やすために注目すべき4つの人材層 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

グローバル化が止まらない中で、文部科学省は「世界レベルの人材」を育てるために躍起になっているが、これに対し、木村盛世氏(厚生労働医系技官、医師)が、人材育成の道筋の見えない文科省の方針を批判するエッセイを書かれている。しかし、書かれている事実一つ一つは興味深くてもっともなのだが、全体として何がいいたいのか、具体的に何を改善すべきなのか、今ひとつはっきりしない。実際、当該記事のBLOGOSのコメント欄を見ても、同様の意見が溢れている。そこで、日本が「グローバル人材」とやらを増やすために、具体的には何をすれば、私見を述べてみたい。

そもそも、「グローバル人材」(文科省)、「世界レベルの人材」(木村氏)とは何なのだろうか?文部科学省によれば、「国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材」だそうだ。日本の国益を確保し豊かな日本社会を維持するためには、科学技術や政治経済の分野において、国際間の情報交換や交渉において他国に遅れをとらないことが必要で、そのために「グローバル人材」が必要ということだろう。つまり「グローバル人材」の育成は国益のためであって、文科省が国民全体の英語習得レベルを引き上げるためではない。あくまでも主要は目的は国益であって、教育機会の均等ではないことをまずは頭に入れるべきだ。

グローバル人材をいわゆる高学歴層に限定する必要はないが、英語圏の国々が高度な学歴社会であることに鑑みれば、社会の指導層を生み出す一流大学院や、そこへ多くの人を輩出する一流大学の日本人の動向について見ることには意味があるだろう。各種報道に見られるように、米国の大学における日本人のプレゼンスは低く、近年さらに低下している。日本人に人気があり経済的に裕福な人に有利なMBAプログラムでさえ日本人の数は少ない。TOP15に数えられるミシガン大学においても、例年、各年次約500人のプログラムにいる日本人は5人前後で、100人超いるアジアからの外国人留学生の中では非常に少数派である。科学技術系について言えばさらに少なく、韓国人は日本人の5倍、中国人は韓国人の更に5倍いるというイメージを私は持っている。日本人留学生が少ないというと「最近の日本人の若者は内向きで」などと言い出すおじさん達が多いが、現状はそんな生易しいものではない。MBAなどの人気プログラムに関して言えば、日本人の英語力や専門能力が低いので、頑張ってもその程度の人数しか入れない、ということなのだ。若者の内向き批判を繰り返すおじさんたちは、「入ろうと思えばトップスクールのMBAくらいいつでも行けるけど、日本が好きだから行かない」などという「内向きの日本人」がどのくらいいるのか、今一度考えて直してみた方が良い。

それでは実際に、米国の一流大大学院に入るのはどんな層なのだろうか。私は、トップ10に入るMBAプログラムや、著名なPhDプログラムに入った知り合いをそれなりにたくさん知っているが、彼らにはいくつかのパターンがある。それは、

(1)子供の頃、両親の仕事の都合で海外にいた帰国子女
(2)高校あるいは学部の早いうちに1年程度の留学を経験した人
(3)高学歴で、大人になってから受験勉強のノリで英語も一気にマスターした人
(4)語学力に関係なく専門性で勝負している人

の4つである。複数のパターンに該当しているケースも多い。グローバル人材を増やすためには、この有望な4つの人材層に重点的に投資するのが最も効率が良い。この4つの層それぞれを強化する方法を以下で考えてみる。

(1)MBAよりPre-Kに入りたい

バイリンガル教育には様々な研究結果があるが、外国語の習得に最も重要な時期はおそらく4〜9歳くらいである、というのがおおよそのコンセンサスだろう。4歳未満では母語がしっかりしていないために外国語を習得する準備ができていないし、9歳を過ぎるとネイティブに近いレベルの音感や語感などが得られない可能性が高まる。私の娘は米国生まれだが、4歳近くになるまで幼稚園に通ってもほとんど英語を話さなかった。それがPre-K(日本で言う幼稚園の年中)に通った10ヶ月間で、一気にネイティブと対等に話せるレベルになった。義務教育ではなかったので授業料が年5000ドルほどかかったが、後にも先にも、あの期間と金額で同等の教育投資効果が得られることは絶対にないと言い切れる。「私も出来ることなら、今から娘の通ったPre-Kプログラムに通いたい」と友人に冗談で言っているほどである。

斜体文韓国や中国の富裕層などは、わざわざこの時期に母と子だけで留学しにくる猛者も多いが、既に経済的に豊かで平和な日本からこうした行動を期待するのは難しいだろう。実際には、日本人で幼少期に英語圏で過ごしているのは主に父親の仕事の都合で滞在している子女である事を考えると、政府が4〜9歳前後の子女を持つ家庭の海外転勤を促進するような施策をとれば教育効果はかなり高いかも知れない。例えば、この年齢の子を持つ家庭を海外に派遣した企業に補助金を支給するような制度も考えられる。企業に直接的な経済利益が少ないとしても、これが企業の社会的責任であると社会が捉えれば、かなりの推進力になるだろう。

こうした絶好の機会を無駄にしないために、子供が現地の学校で真剣に英語で学ぶようなインセンティブを国が整備するのも一つの手だろう。多くの海外在住子女は、中学あるいは高校入学までに日本に帰るため、現地の学校であまり真剣に勉強しない子も多い。大都市では、日本での受験のために日本の大手進学塾に通って受験勉強する子もいる。これは非常に勿体ないと言わざるを得ない。どうすれば、適切なインセンティブが与えられるだろうか。例えば、最近拡大している帰国子女入試を、旧来の選抜方法ではなく、現地の学校での成績や現地校の教員からの推薦状で査定するような選抜方法にしてはどうか。各学校でこうした選考を行うのは難しいかも知れないが、文科省が評価機関を作って、統一的にノウハウを蓄積すれば十分に現実味があるだろう。

(2)東大入試の免除を

米国の大学院に留学して痛感したことの一つは、20歳未満で留学して来た日本人との英語力の圧倒的な差である。さらにいえば、個人差の方が大きいものの、聴覚力やコミュニケーション力の男女差も無視できず、男性は女性より2割くらい早く留学しないと音が身に付かないのではないかと個人的には思っている。例えば、30歳で留学した女性と同じ音感を身につけるには、男性は24歳で留学する必要があるというイメージだ。また、年齢だけでなく学習環境も語学の上達に大きく影響する。生活の大半を仲間と共にする高校留学、友人との交流が多い学部留学、引きこもって試験勉強する大学院留学では、語学力の伸びは当然異なってくるだろう。早い段階で留学する方が望ましい。

高校や学部の初めでの留学にあたっての問題は、生徒・学生にとっての過大な学習負担である。想定されるグローバル人材像は勉強面も秀でている者と考えれるが、大学受験の準備をしながら、なおかつ留学に堪える英語力を同時に身につけられるスーパー高校生は非常に限られるだろう。また、大学に入学してからにしても、留学と専門分野の学習の両立は大きな負担だ。制度を変更することで一番時間を捻出できるのは、現行の大学入試にかかる労力を削ることだ。これはまずトップの東大がやらなければ効果が薄い。もちろん他の大学でもやるべきだろう。例えば、高校の内容を十分に学習し終えた生徒には、高2の段階で入学許可を出して、大学入学までの留学を義務づけてはどうか。昨今、日本の大学では推薦入試が増えているが、その主眼を単に優秀な生徒を採ることでなく、優秀な生徒に機会を与えてさらに育てることに置くのは、大学と生徒双方にとってメリットがある。


(3)自給自足できる生活力を

大人になってから1〜2年程度の集中的な勉強で、長く海外にいた帰国子女と同レベルの英語のスコアを出してしまうような優秀な人達もいる。大抵高学歴で、一流企業で将来を嘱望されるような社員であるケースが多い。この層は、会社が派遣留学をさせたり、公募の奨学金を獲得して留学したり、働いて貯めたお金を使って留学する。この層について非常に残念なのは、無駄にたくさんの資金を投入して、逆に彼らのポテンシャルを奪ってしまっていることだ。

こうした層に人気の一流大のMBAプログラムというのは、日本で言えばSAPIXのようなものだ。頭が良くてお金持ちのお客さんを集めて、集中的にノウハウの詰まった授業をする。そこから得られる知識や人脈は大きいかも知れないが、大学や社会にとってはあくまでもお金を落としてくれるお客さんに過ぎない。米国をはじめとした英語圏は基本的にお金へのインセンティブで回っている国々だ。自分でお金を稼ぎ、節約しながら生活して初めて社会の一員となり、社会の仕組みが見えてくる。こうした点を考えると、日本人の留学生はMBAプログラムに傾倒しすぎという問題もあるだろう。いわば大学のドル箱であるMBAプログラムは多額の授業料のかかる大人数のプログラムだが、科学技術系や社会科学系、政策系の大学院などには、少人数教育で学内の就労機会に恵まれたプログラムもたくさんある。そして米国の大学院は、学部の専門分野が違った学生でも積極的に受け入れて一からを教育してくれるのが良いところだ。より多くの分野に留学生を送り出せば、人数も増やすことができ、バラエティーに富んだ人材を育てられる。

実際、この層の多くの留学生は、MBAなどの職業系の大学院を除けば、大学からTA/RA(Teaching/Research Asssitantship)として給料を貰いながら大学院を修了できるポテンシャルがある。そうした方が、ずっと本人も多くの事を吸収できるし、費用もかからない。また、派遣留学生に副業を禁止する企業が多いがこれも全くナンセンスである。敢えて例えれば優秀な子供を進学塾にやり、その塾の教材以外で知識を得る事を禁じる、というルールを課しているようなものだ。派遣留学にしても自費にしても、現地で自給自足の経験をする事こそが、英語圏の価値観を理解できる「グローバル人材」になる鍵だ。

アカデミックな留学に関しても、奨学金が実態に即していないというケースが非常に多い。例えば、博士課程に公募の奨学金を獲得して留学するようなケースでは、留学生は大学からの奨学金を貰ったり、TA/RAをやりながら、課程を修了できるポテンシャルがあるのが普通だ。Qualifying Exam と呼ばれる競争的な試験、時間のかかるリサーチ、卒業後の職探しなどのために、一時的に日本からの奨学金を使える事が有利になることはあっても、全てを母国からの奨学金で賄わなければならないのは、よほど能力が足りないケースに限られる。現在の多くの奨学金制度は、人数を絞り過ぎである一方で、一人あたりに過剰な予算を投じているものが多い。これを改善すれば、より多くの日本人がアカデミックな大学院留学や研究留学を経験できることになる。

(4)設計図は日本語でいい

日本には、英語は全くしゃべれないが専門分野の論文なら英語で書ける、というような人もたくさんいる。英語と日本語が非常に異なる言語であることを考えると、こうした能力を持つ人たちに無理に英語を勉強させるのは、専門能力を鈍らせることになりかねない。こうした人材は、英語ができるにしろ、できないにしろ、世界が注目すれば、勝手に「グローバル人材」になってしまうのだから、むしろこうした人材を育てるパスも残しておいた方がよい。国際優良企業と呼ばれる日本の大手自動車メーカーは、車の設計図を英語で書いたから海外で成功したわけではない。

例えば、全授業を英語化する大学が増えたとしても、日本語でほとんどの事を学べる一流大学も少なくとも数十年間は維持することが望ましい。全ての一流大学の教育を英語化するかどうかは、時間をかけて考えれば良い。

(むすび)

グローバル化に対応するにあたって、国民全体の語学力や国際感覚を底上げすることは理想的ではある。しかし例えば公立学校の英語教育の質を抜本的に上げるためには、莫大な予算と年月がかかる。より実態に即した支援制度を整えることで、日本が国際社会から孤立することを防ぐリーダー層を育てることが必要なのではないか。
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米国トップMBAで通用する、あるいは米国や他国からの学生ほど有用な経験に出来る人材が少ないというのは、初めて聞きましたが、おっしゃる通りでしょう。

日本でエリート的に優良企業に入社しても、MBA に行くまで、本当に低レベルな仕事しかしない人もかなり多いようで、あの扱われ方は何なんでしょうか。 有名な日本の企業でも、外国の企業でも。 日本以外の学生の経験とは比較にならないのが実情でしょう。 よく社費や国費で留学させてもらえたなぁ、と感じる事が多いです。 失礼ながら。。 ただ日本からの学生は、真面目で学力も学習意欲も高い方が多く、慣れないディスカッションにもそれなりに参加できるようになったり、習った事は吸収される方が多い印象を受けます。

帰国後も全員では無いにしろ、何割かの方は、相変わらずの仕事内容だというのはよく知られる所です。 そして日本以外の学生との距離は広がる、と。

英語力、国際力、とは別に、優秀層が上手く活かされてない、っていうのは良い事無いですね。

お久しぶりです

長らく更新がなかったので心配しておりました。
お元気そうで何よりです。
ウィリーさんの声が日本の文科省に届くと良いのですけれど・・・。
日本のおじさま方は、大切なことがちっとも分かっていなくて、
日本はどうなってしまうのだろうと孫たちの将来が案じられます。

No title

ほぼ全面的に同意です。あえて付け加えるとしたら、日本国内でのイマージョン方式でしょうか。

仰る通り、低年齢児への外国語教育のコストパフォーマンスは圧倒的ですので、公立小学校の数パーセントくらいを指定校にして、授業のほぼ全てを外国語で行うのも効果的かと思います。日本以外の国では、既に実績のある方法ですし。入試制度の対応やら、ネイティブ先生の確保やら、本質的には瑣末だけど官僚にとっては大変な問題がいっぱい出てきそうですが。

まあ、でも何も変わらないんでしょうね。25年後に日本人の英語力が多少でも向上しているところを想像できないです。変われない日本というのは、むしろこの国の長所なのかと最近思い始めています。

No title

記事を読ませて頂いて、色々と考えさせられましたが、トラックバックで記事を書く時間がないので、一番気になったことだけ質問させて頂きます。

お嬢様はPre-Kに通われて、今は小学生でいらっしゃいますか?
だとしたら、お嬢様に日本語及び漢字はどのように教えていらっしゃるのでしょうか?

もしお嬢様が、たった今日本に帰国されて日本の小学校に入られたなら、直に英語を忘れてしまわれると思います。
それは、Pre-Kの10ヶ月でネイティブ並みの英語を身につけられる、親には真似出来ない素晴らしい子供の順応性が、今度は、10ヶ月しないうちに日本の同年代の子供達と丁々発止と会話できる日本語を身につける素晴らしい子供の順応性として働くからです。
日本語を習得する過程で、ネイティブ並みに話していた英語を忘れてしまっても、不思議に「耳」だけは残るようですけど。
子供が英語から日本語への順応中に、無理に英語を保持させようとすると、子供は混乱するといいます。
親が、「折角現地で身につけた英語だから」と、今度は日本語に順応しようとしている子供に負荷をかけてはいけないようです。
また、日本の小学校低学年では、「漢字の習得」という避けては通れない問題があります。
小学校で海外の現地校に通わせる時には、日本語は会話が不自由ない程度でいいから(漢字の習得は諦めて)英語メインの教育にするのか、漢字は勿論日本語のレベルは日本人の同年齢の子供のレベルを維持することを一義的に考えた教育にするのか、親がよく考えて選択しないと、後になってやり直しはききません。
他の欧米系の言語が母国語の子供達と比べて、日本語は(多分、中国語も?)用いられている文字がアルファベットではなく「漢字」という習得には手間と時間がかかる文字を必要とするところから、日本の子供が母国語と英語と両方を身につけようとする場合、大きなハンディになると感じます。
「日本語を捨ててもいい」「漢字が読み書きできなくてもいい」と、日本の親が割り切れるかどうか?また子供自身が成長して、アイデンティティの問題で悩みはしないか、という課題があると思いました。

http://d.hatena.ne.jp/souheki1009/20130615
「小学校で英語を教科化することが「グローバル人材」を養成する効率的なやり方かどうか?   「帰国子女」を目指してはいけない。」

No title

Sさん:
社費留学生が全く活用できていないという話は、散見されますね。一方で、英語の出来ない駐在員も大量にいるわけですが。。。

よんぱぱさん:
日本は既に豊かな社会ですし、人材育成が失敗したところで、当面のあいだ、南欧や韓国レベルの経済水準は維持できる可能性が高そうなのでなかなか危機感が湧かないのでしょう。もし1ドル=250円になれば、文科省がどう言おうと、優秀な人は大半が海外に出ます。

Chizさん:
日本語と英語のイマージョンの効用について、私はやや懐疑的に見ています。というのは、日本語と英語の言語構造があまりに違い過ぎるので、恐らく、言語能力の高い子だけが対応できると思うからです。何らかの選抜が必要でしょう。中国語の文法は英語に近いにも関わらず、香港ですら全市民向けの英語教育はうまく行ったように感じません。

souheki1009さん:
娘はまだ8歳(小3)ですので、学年相当の漢字の習得にはあまり問題はないようです。日本語補習校にも通っていますし、日本語のテレビを日本語字幕付きで見せたりもしています。恐らく、もう少し抽象的な漢字を習うようになると、ついて行くのが大変になるのかも知れません。

幼少期の英語習得と、日本で教える様な大人になってからの英語習得では習得の順序がほとんど正反対です。子供は、音の聞き分けや発音、自然な語順、日常的な慣用表現などを先に覚えます。逆に大人になってからの英語は、文法や単語の綴りを先に覚えます。従って、幼少期の英語がアカデミックな英語を補完する部分は少ないですが、両方を組み合わせることによって、ネイティブに近いレベルの英語を身につけさせる事は可能でしょう。

英語圏から日本に移る場合、その年齢によっても維持できるレベルはかなり異なります。各年齢で帰国した実例を聞いて回っています。また、日本の英語学習環境もどんどん変わっていますので、維持の仕方も変わっていくでしょう。

日本語しか話せない人が1億人超いる中で、日本語と英語を両方使える方がよほどアイデンティティになると思いますが。バイリンガルをアイデンティティと絡めている人は、実はナショナリズムの問題を話しているのでは、と思います。

No title

私も、イマージョンを全面的に持ち上げる気はないのですが、現状での最適解に近いとは思います。

文法構造の違いに関しては、だからこそイマージョン方式が有効とも言えます。アメリカの公立小学校には、数は少ないけれど日本語のイマージョンまであるそうです。英語ネイティブが日本語を効率良く習得出来るのであれば、その逆も可能だと理論的には思えます(実際は非対称性があるのでしょうが)。

日本でもし導入するとしても、かなりの少数校に限定されるでしょう。文科省お墨付きで学費無料のインターナショナルスクールとなれば受験者は殺到するはずなので、優秀な児童を集めるのに苦労はしないと思います。

No title

Chizさん:

恐らく日英イマージョンの場合、バランスバイリンガルを育てるには、授業を半分ずつにしたのでは足りず、少なくとも両方とも本来のカリキュラムの7〜8割ずつくらいをカバーする必要があるのではないでしょうか。ミシガン州にも日英半々で授業日数が他の公立学校より1割ほど多い日英イマージョン(55/55のイマージョンといったところでしょうか)がありますが、今年初めて出た英語での州統一学力テストの結果は、近隣地区の普通の公立学校と比べて芳しくありません。英語だけでなく、算数の成績も低いです(ただしこれはあくまで一年度の結果で、今後改善するかも知れません)。イマージョンは、欧州言語同士では有効のようですし、意欲的な試みだと思いますが、日英に関しては、まだまだ研究が必要だと思います。

preK

こんにちは。私は、preK時代に海外に住み、現地校に通って現地の言葉をマスターしても、忘れてしまっている人を何人も見てきました帰国子女です。

Willyさんのおっしゃることは割りとその通りだと思いますが、強化方法(1)についてはちょっと賛同しかねるなぁと思うところです。個人的には中高一貫を推し進め、その間の1年から2年を海外というが理想だと思っています。

日本のリーダーの英語力のなさについては、絶望的な状況ですね。かといって、日本できちんとした英語教育をほどこすところは木村盛世氏のおっしゃるように非常に高額で、庶民にはとても無理です。

私は、英語教育と同時に日本語教育もおおいに疑問があり、漢字あのような細かなとめ、はね、はらえはどこまで必要なのかと思うときもあります。そして、子どもの国語のテストに、子どもの意見を書く欄が全くないというは常々不思議に思うところです。

No title

ayaさん

幼少期の英語教育については、きちんと身に付けば効果が大きい反面、身につけるためには大人になってからよりも時間がかかるでしょうね。4〜9歳までのうち2年以上というイメージだと思います。

一方で、効果が高そうな中高の1〜2年間を海外にという案に賛成しかねる点もあります。それは、高校あたりで留学する日本人の中に、中高で自然科学をきちんと学ぶ生徒が非常に少ないという点です。優秀な高校生全員にやらせれば、日本の科学技術水準が下がる恐れがあります。例えば、数学に関して言えば14〜20歳くらいの時期に真剣に取り組むことが非常に重要ですし、その後から英語では遅いので、逆算すると14歳までに英語を身につける必要があるということです。日本の名門私立中で、生徒を入学させたらすぐに1年留学させるというタイミングはありかも知れませんね。

日本語教育についてのご意見、確かに納得させられます。昔は、字を見て人を見る、という面があったので理解できますが、仕事で手書きをほとんど使わないこのご時世に、あそこまで必要なのかどうかは分かりませんね。

Pre-Kと帰国子女

はじめまして。香港/中国/フィリピンでIT関係の事業をしています。海外で育った息子が今年夏に日本の高校へ編入しました。その辺の経験からコメントさせて頂きます。幼稚園から小学校低学年あたりが、英語環境で教育するにはもっとも費用対効果が高いというのには同意します。人見知りしない子なら、英語の幼稚園へ入れると、ほっといても英語をしゃべるようになります。その勢いで、小学校低学年から中学年くらいまでの数年間で、読み書きがきちんとできるようになります。但し、小学校低1年の最初から、日本なら高校生でも読むのに苦労するような英語の小説を、毎日5−10ページくらい読んで、最後のページの課題に答える宿題が毎日出されて、親の英語能力を越えてしまい、最初の2年間は家庭教師を雇って宿題をやらせていました。この時期をなんとか乗り越えてからは、インター校のクラスで真ん中くらいの英語力が地力として付き、帰国直前に受けたIGCSEのFirst Language Englishでも66点(C評価)取りました。(評価Cはまあ中位の位置です)
ところが、既に何人かがコメント欄で述べておられるように、小学校から中学校くらいで日本へ帰国すると、あっという間に英語を忘れてしまいます。その辺の事は「私たちはいかにして英語を失うか」という本に詳しく述べられています。英語がある程度パーマネントな言語としてその子に根付くには、高校から大学くらいまで英語環境にいる必要があるようです。うちの息子は、英国式インターの高2で帰国して、いまは日本の高1からはじめていますが、数年やそこらで英語を失う事はないと自信を持っているようです。
さて、海外での家庭内日本語教育ですが、我が家では乳児の頃からベネッセのビデオを見せて育て、小学校5年まで「チャレンジ◯年生」をさせていました。もちろん母親が毎日、息子の尻を叩いて、勉强させていました。おかげで日本の学校にほとんど行ってないにも関わらず、最近流行りのラノベを読みふけり、パソコンで流暢な日本語の文章を打てるほどの日本語を自力で確保していました。しかし漢字を書く事はほとんど出来ず、帰国時の漢字能力は小学3年生くらいだったと思います。
帰国にあたり準備したのは、帰国子女用の塾へ週1で半年ほど通わせて、国語(漢字練習と古文)の補修をしました。おかげで帰国して最初(先月)の中間テストでは、国語を含めてほとんどの科目でクラスの平均点くらいは取れたそうです。

No title

グローバル人材をいかに増やすかという点についてコメントさせて頂きます。いろんな国のいろんな価値観を持つ子供が集まる英語教育のインター校が、グローバル人材を育成する最短距離だと思われます。で、政府は国益の為との事ですが、インター校で教育を行うと、子供の価値観そのものがグローバル化します。JMMメルマガで春具氏の「オランダ・ハーグより」によれば、インター校の生徒の多くは「無国籍的」な価値観を身につけると述べています。するとどうなるかというと、そもそも「日本の国益とは」といった、特定の国のナショナリズムに偏重しない子になるようです。(だからこそグローバルな価値観を持っていると言えるのですが)
何が言いたいかというと、小さい時からグローバルな価値観になるように育てると、単純に、税金を投じて育てた良い人材がどんどん国外流出してしまうのではないかと思われます。(笑 これってなかなか笑える皮肉ではないでしょうか。

No title

石水さん:

経験談などいろいろとありがとうございます。日本の場合は、日本人としてのアイデンティティーを持った国際人の育成という以前に、海外に浸透している日英バイリンガルの数が少なすぎることが国際社会で不利になっていると思います。従って、国際人としての日本人を育てるとともに、世界で活躍する日英バイリンガルを増やすことも国益にかなうのではないかと思います。

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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
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2.Matematical Statistics and Data Analysis
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   応用も充実。学部上級。

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