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大学院 と Financial Aid -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカの大学院に留学するためのハウツー(how-to)本は
日本語でも結構出ているし、最近はいろんなブログがある
から情報は結構手に入る。

しかし、その中で、financial aid に関する記述と言うのは、
どうも偏っているような気がする。典型的な説明は、
「アメリカのPhDプログラムは授業料が免除になる上に、
研究をしているだけでお給料ももらって自立できる。
日本の大学院はお金がかかって困る。」
みたいなもの。

まあこの手の話は、一種の自慢話みたいなもので、話半分に
聞いておいた方が良いと思う。

じゃあ、どのくらいの学生が援助を受けているの?
っていうと、まあ一流私立なんかはほぼ全員が援助を受け
てるだろうけど、州立なんかでは全員とは言えない。
特に人文系なんかは相当厳しいようだ。
また、ランクが下の大学だと状況はもっと悪くなる。

例えば、Carnegie Mellon Foundation によると、
研究大学(research universities) は上から順に、
15, 16, 17の3ランクに分類されていて各々約100校ずつある。
数学系についていうと、
このうち上位の分類「15」の大学はそれなりの援助を
しているようだが、「16」になると学費の一部免除や
時給制のバイトを提供しているだけのケースも多いようだ。
(「17」の大学は事実上、研究大学ではないことが多い。)

次に、ある学科が9割の学生に財政援助を出しているとして、
日本からきた留学生が貰える見込みがどのくらいあるの?
というと、実はそんなに確率は高くないと思う。
まずアメリカ人が半分いるとして彼らは全員が財政援助つきである。
次に英語圏・ヨーロッパ語圏の人は言葉の問題が少ないから取りやすい。
さらに発展途上国の人は、貧しい人が多いので取りやすい。
結局、お金も持っていて、英語力でブービー賞を争ってる
日本人とか韓国人とかがすんなりと取れる可能性は
あんまり高くない。

特に、一年目は大学側も学生の能力を測りかねているから、
学科もお金を出さないことが多い。

さらに、TA/RA の労働負担ってどのくらいのものなの?
という問題もある。

TAの場合、演習の授業から採点、質問係、雑用までやって、
州立だと貰える額は月に1500~2000ドルくらい。
今は日本の教育産業も不況だが、私が日本に居た当時は
予備校で講師のバイトをすれば一時間で5000円くらい
貰えたので、そちらの方が割が良かったくらいである。

RAの場合は、本当に研究だけをすればいいこともあるが、
受託研究であまり面白くないこともあれば、自分の研究と
あまり関係がなくて時間の無駄になることもある。

仮にフルサポートをもらったとして、全額それで賄えるものなの?
というと、それも疑問である。日本人はルームシェアをしない人が多いし、
独身の人なら年に1回あるいは2回帰国する人が多い。
車もないと不便な場所も多いし、旅行が好きな人もいる。

TA/RAを貰えても、うちの大学(W大M校)の日本人院生は
年に数千ドル規模の持ち出しになっている人が多いと私は
想像する。

まあ、こんなところに来て後から種明かしするのもなんだが、
お金を全部出してもらえると思ってアメリカに来たものの
当てが外れてお金に困っている知り合いもいるし、
私の大学でも「勉強してない時はいつもお金の心配で頭が
いっぱいになる」と話していた院生もいた。

別に不安を煽るわけではないのだが、
アメリカに来ても誰もがバラ色ではないですよ。
ということはこちらに来る前に知っておくべきだと思う。
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テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

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No title

昨日質問させてもらったYasです。こちらに書こうと思います。

>一方で、州立も対抗上ある程度の援助は出しているはずです。

UCBerkeleyから質問の返事が来ましたが、具体的金額を聞いたにも拘らず、一般的な答えでした。まさにWofwofさんの仰るとおり「いずれにしても、合否が出たときに大学側から話があると思います。」との返事。まず合格しろと書いてありました笑。
でも、出願前にある程度の額が分からないと、その学校の難易度との兼ね合いで、出願するかどうかが決められない。

UCLAのWEBには金額が明示してあります。16,000から20,000のStipend(のはず)。それ以外に、学費の全額または一部免除、Registrationの免除、しかし、Doctoral Candidateになれないと2年目以降は学費全額支払う必要あり、云々。州立は州民、州外民、留学生と、待遇が複雑すぎて理解しづらいです。社会学では一年目からTAはないので、このStipendで全生活費を賄うのは厳しいのでしょうかね・・。

僕の研究したい内容は、既存の分野にカチッとはまらず、志望校選定が結構難しい。財政援助と院のレベル、どちらを重視すべきなのか迷います。上位に州立が多いのですが、この際、(リッチなはずの)私立だけに絞った方が良いのか?と思ったりもします。どう思いますか?

No title

とりあえず、たくさん出願してみることをお勧めします。はじめから私立だけに絞るのはお勧めしません。良い候補者の場合は、合格後にstipendの個別交渉も可能です。州立の方が高いオファーを出す場合もありますし、複数のオファーが出れば金額の交渉は容易になります。公式にはなっていませんが、うちの学科はアメリカ人の学生は年間5000ドル多くもらっているらしいですし、留学生も一律ではないようです。

また、社会学のようなfundingの限られる分野では、在学中・卒業後とも、経済的なリスクは常に伴うと思います。いざというときに、どう対応するのか(貯金を使う、親に借りる、退学する等)、というのは考えておく必要があります。

No title

そうですね、変な先入観で出願先を絞るのはやめにします。
たくさん出願ですか。何となく、出来の良くない僕が教授にたくさんお願いするのって気が引けるんですよね・・。

推薦状

先生にもよりますが、1通書いてしまえば、多岐選択式の質問を除いてあとはコピーですから、あまり気にしない方が多いのではと思います。もちろん一括してお願いすべきですし、何ヶ月か前に一度お伺いを立てておいた方が良いことは確かです。

No title

教授3名にお伺いのメールを送りました。うち一人は、もう大学にはいないのでメールをチェックしてくれるか心配ですが・・。
僕はGPAが高くないんですよ。だから気が引けるんです・・。「え、お前が院?しかもトップ校に出すの?」とか思われてそうだ。

No title

どちらにせよ出すのは自由ですから、気を楽に。
東大や京都の理工系からだと、研究のポテンシャルさえ感じられれば、3.0くらいでも受かっていると聞きます。

No title

研究のポテンシャルによっては、3.0でもトップ校ありですか。少し勇気が出ました。とすると、Personal Statementが重要ですね。
頑張りたいです。

院側も出願者の大学名をある程度見ていると言うことですかね?僕は日本とカナダで学部を出ているんですが、見てくれるものは見て欲しいです。カナダの方は特に成績のつけ方が厳しいとされる大学だったので・・。文系だと違うかもしれませんね。

No title

お話中に割って入ってすいません。
W大M校って名門ですよね。
分野にもよりますが、ここより明確に上となるとアイビーリーグやMIT,Caltechぐらいしか残らないような気がします。現実は中々厳しいですね。

大学名と成績

>出願者の大学名をある程度見ていると言うことですかね?

国外の大学の場合は、分かる人がいれば、ということになるでしょうね。アジア出身のファカルティーは案外、日本の大学に詳しかったりしますので。以前に、日本の出願者のリストを見せられて、誰が良さそうか、と意見を求められたことがあります。

大学と待遇

>ikatarouさん:

まあ、はっきり言ってうちの大学は、ランクの割に条件がひどすぎます。州立でも、UCB、UCLA、UNC、ミシガンあたりは恐らくもっとマシでしょう(もっとも今後のカリフォルニアは要注意ですね)。あくまで想像ですが、ミネソタやパデューあたりもうちより良さそうです。

もちろん、私立の研究大学の上位20校くらいは、もっと資金が潤沢なはずです。

No title

レスありがとうございます。参考になります。
大学によってそこまで差が出てしまうんですね……
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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